新年のことば(2006年)

新年のことば

かれこれ10数年来、毎年この企画に執筆させていただいているが、私自身にとって、この新年の言葉が信念の言葉と重複し、その重みを新たにするのである。これは私自身が操体を学び続けている足跡でもあり想跡でもあり、私自身が私でい続けている私跡でもある。臨床は自然法則の応用貢献である。「からだが治す」「からだが治しをつけてくる」。
その生かされし命の原則が臨床の場で、増々真実味を帯びてくる。からだが診断をつけ、からだが治療をつけてくる。

それは、からだの無意識、生命の無意識の内にある。その事実を目のあたりにすると、臨床に向かう我々の姿勢が問われてくる。からだに聞き分けをもたせ、その要求を、ききとる診断と治療の大切さを強く感じる。昨年の11月、医道の日本社に原稿約600枚分を提出し出版のお願いに上がる。今年は40年の区切りとなる年でもあり、その集大成の想いもあって書き上げてみた。読者の目に触れ、少しでも臨床が生かせる、生きていく手がかり、参考にしていただければ幸いに思う。

(医道の日本誌 2006年新年号掲載)


 

操体法東京研究会定例講習より。介助法