2011年「新年のことば」医道の日本誌より

新年のことば
人体構造運動力学研究所 三浦寛

 去年は東京操体フォーラムの活動において、また私個人の活動においても実りある一年であった。四月にフォーラム分科会を開催、八月に京都大徳寺で夏のセミナーをもち、九月は海外に飛び、スペインはマドリードで日本大使館での講演、そして、ヨーロッパ十一ヶ国から数多くの参加者を得て、二日間にわたるセミナー、十一月の定例秋のフォーラムと、盛況のなかで無事全ての計画が終了した。今年もヨーロッパでのセミナーが決定している。
 また、去年の九月、これは十六年間温め、学んできた皮膚に関する診断と臨床でとなる「皮膚からのメッセージ」を出版させていただいた。この一冊は、操体法に限定した診断と臨床ではなく、どの臨床にも必須、不可欠なるテーマと
なるはづである。
 橋本敬三先生は、生前「健康を世界に輸出する担い手(伝道師)であれ」と託された。私はそのルートをヨーロッパで実現できた。慎重に事を運ばねばならない。普及するにあたり、一番大切なことは、精神文化の共有である。それなくしては、上手く事は運ばない。手っ取り早くビジネスチャンスとばかりに、飛びつけば蔑まれ、疎んじられるであろう。

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